第92号(H.13.1.25)

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新年のごあいさつ
新春講演会

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組合の動き
資産税に関する実務研修会

No.3
京都市交通のあゆみ
 

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21世紀記念エッセイ
有田徳五郎先生〜石原 豊先生

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21世紀記念エッセイ
木村祐一先生〜嶋谷俊子先生

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21世紀記念エッセイ
田中美代子先生〜西 幸三先生

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全国統一キャンペーン表彰式
ソフトボール大会

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ふれあい美術館


京都この100年
京都市交通のあゆみ−京都市交通局−   左京地区 小杉 將之

 京都市営交通事業は明治45年6月11日、 壬生車庫前〜千本丸太町〜烏丸丸太町〜烏丸塩小路間および四条西洞院〜四条小橋間の計7.7kmに市営電車の営業を開始したことに始まります。
 これよりさき、 明治28年2月1日には京都電気鉄道株式会社が路面電車の営業を始めていましたが、 大正7年7月1日京都市はこれを買収し 「わが国初の路面電車」 を受け継ぎ、 大正、 昭和にかけて 「市民の足」 として、 活躍しました。
 一方市バス事業は、 昭和3年5月10日、 市電の補助機関として出町柳〜植物園間2.5kmに開業し、 市域の発展とともにバス路線をつぎつぎと拡張していきました。
 また、 昭和7年4月1日には、 全国に先駆けて、 四条大宮〜西大路間1.6kmにトロリーバスを開業、 以後交通事業は戦中、 戦後の混乱期を乗り越え、 隆盛期を迎えます。 最盛時の市電は路線長74km、 367両の車両で1日約60万人の人々に利用されました。


[開業から戦前 明治45年 (1912) 〜 昭和16年 (1941)]

開業当時のガソリン車(定員12名)


明治28年 (1895) 2/1 
 京都電気鉄道株式会社が東洞院塩小路下ル (七条停車場) 〜伏見下油掛間で日本初の市街路面電車の運行を 開始

明治45年 (1912) 6/11
 市電の運行を開始 (交通局の発足) (烏丸線、 千本、 大宮線、 四条線、 丸太町線)

大正7年 (1918) 7/1
 市が京都電気鉄道株式会社を買収

昭和3年 (1928) 5/10
 市バスの運行を開始 (出町柳〜植物園間)、 1区6銭
昭和5年 (1930) 5/29 市バス回数乗車券の発売開始

昭和7年 (1932)   10銭 均1区 5銭 特定区・1区

 4/1 トロリーバスの運転を開始 (四条大宮〜西大路四条間)

 12/1 市電・市バス相互乗継制度実施 (均一区10銭、 特定区・1区5銭)

昭和9年 (1934) 9/1 
 岩田乗合バスを買収
昭和13年 (1938) 3/17 
 代用燃料車、 木炭車運転
昭和15年 (1940) 6/1
 市バスと省営自動車京都本線の連絡運輸実施

 北野自動車商会を買収し、 北野神社前〜山城・高雄間 (8km) の営業開始

 11/2 桃山線で京阪バスと相互乗り入れ、 直通運転の実施

 12/26 電気車、 コーライト車などの代用燃料車運転

昭和16年 (1941)   太平洋戦争勃発

 8月 営業用ガソリン配給全面禁止により、 営業路線の一部廃止、 運転系統の一部短縮


[戦中、 戦後 昭和17年 (1942) 〜 昭和30年 (1955)]

河原町付近を走るトレーラーバス(S23年頃)



昭和17年 (1942)   ミッドウェー海戦  京都新聞発足
 2/13 ガソリン車の代用車として全国初のメタンガス自動車を鳥羽〜東寺南門間で運転開始
昭和18年 (1943)    10銭 (1区)
昭和22年 (1947)    50銭、 1円 (1区)
 7/24 進駐軍 (連合軍) 払下げトラックを改装し、 運転開始
 12/27 電気局を交通局に改称
昭和23年 (1948)   2円、 10円 (1区)
 6/8 大型トレーラーバス運転
昭和27年 (1952)
 10/1 地方公営企業法の施行に伴い、 公営企業として発足
昭和30年 (1955)
 10/23 三条京阪市バス専用乗車場開設
 11/10 定期観光バスの運行を開始
 しかし、 都市部の路面交通をとりまく環境は、 昭和30年代の後半になると急速な経済成長にともなう自動車の急増によるモータリゼーションの発展、 人口のドーナツ化など、 年々きびしさを増し、 事業財政が逼迫しはじめ、 市営電車は、 昭和45年4月の伏見、 稲荷線の営業廃止を皮切りに、 逐次廃止されていき、 昭和53年9月末日をもって、 京都電気鉄道以来83年の歴史を閉じました。


[高度成長と石油危機 昭和31年 (1956) 〜昭和45年 (1979)]

東山通(清水道付近)


昭和31年 (1956)
 10/1 市バス四条運輸事務所開設
 11/16 現在の交通局庁舎が落成
昭和33年 (1958)
 4/19 比叡山線営業開始 (市内〜比叡山、 根本中堂まで)
 10/20 市バス四条運輸事務所東山支所開設
昭和34年 (1959)
 5/1 東山ドライブウェイ完成、 同路線に運輸営業開始
昭和37年 (1962)
 6/11 京都市交通局創業50周年
昭和40年 (1965)   20円 (1区)
 7/20 市バス高野営業所開設
 11/19 四条烏丸市バスセンターの開設
昭和41年 (1966)
 3/20 西山線営業開始
 7/1 三哲バスターミナルの営業開始
昭和42年 (1967)
 2/1 市バス四条営業所山科支所を醍醐営業所に昇格
 11/21 財政再建計画の承認
 12/20 市バス梅津営業所の開設 (四条営業所を統合)
昭和43年 (1968)
 30円 (均一区間)
 10/16 市バス料金箱制度を実施
 11/19 『将来の本市交通体系の基本構想およびこれに伴う近代的輸送機関の建設計画について』 市長へ答        申
昭和45年 (1970)   日本万国博覧会開催
 4/1 市バス三哲営業所開設
 12/21 市バス上堀川営業所を廃止し西賀茂営業所を開設。 多区間ワンマンバスの運転を開始
昭和47年 (1972)   40円 (均一区間)
 4/1 高速鉄道建設本部の設置
 4〜7 ワンマンカー乗降方式の変更 (後乗り前降り方式に)
 4/6 バス優先レーン実施 (祇園〜四条大宮間)
 10/24 烏丸線に対する地方鉄道事業免許が下りる
 11/11 身体の不自由な方とお年寄りの優先席を設置
昭和48年 (1973)   50円 (均一区間)
 3/28 電気バスの運行 (4号系統下鴨線) 一両
 11/1 市内在住70歳以上の方の市電、 市バス無料化実施
 11/28 市バス横大路営業所の開設
昭和49年 (1974)
 1/16 京都市高速鉄道烏丸線内遺跡調査会を設置
 4/1 市電、 市バス一日乗車券の発売
 9/2 埋蔵文化財発掘調査開始 (北大路〜京都間)
 11/29 烏丸線起工式
昭和52年 (1977)
 9/30 市電を全線廃止
 10/1 市電烏丸営業所を廃止、 市バス同営業所を開設
 市電のあとを引き継いだ市バスは、 持ち前の機動性を発揮して市電に代わる 「市民の足」 として活躍しました。 そして昭和43年にうちだされた地下鉄建設計画は、 昭和49年の起工式から6年6ヶ月の工事をへて昭和56年5月29日に市営地下鉄烏丸線 (北大路〜京都6.5km) を開業、 これによって京都における新しい交通体系への第一歩をふみだしました。 さらに昭和63年6月には京都〜竹田駅間 (3.4km)、 平成2年10月には北大路〜北山駅間 (1.2km) が相次いで開通し烏丸線の当初計画区間11.1kmすべてが完成しました。 さらに平成9月6日には北山〜国際会館間が開通、 同年10月12日には市営地下鉄東西線 (二条〜醍醐12.7km) も開業、 京都市を東西南北に横断する鉄道が完成しました。 市バスも地下鉄との有機的な連携を行い京都市内の主要な交通機関としての役割を担っています。 そして平成13年 (2001年) には市営交通事業開始から89年、 市営バスは73年、 市営地下鉄は20年を迎えます。


[昭和から平成へ 昭和55年 (1980) 〜平成10年 (1998)]

地下鉄(左)近鉄線(右)の相互直通運転



昭和55年 (1980)
 11/27 京都駅前バス乗降場完成 (地下街 「ポルタ」 オープン)
昭和56年 (1981)   130円 (均一区間)
 3/31 北大路バスターミナル完成
 5/29 烏丸線 北大路〜京都間 (6.6km) 開業 
 運賃120円、 小児60円
昭和57年 (1982)   140円 (均一区間)
 3/31 バスロケーションシステムの運用開始 (堀川通、 白川通)
 7/12 洛西バスターミナル供用開始
 9/1 市バスの土曜ダイヤ運転の実施
昭和59年 (1984)   150円、 160円 (均一区間)
 2/16 九条営業所にて市バス運行管理システムの稼働開始
昭和61年 (1986)
 5/6 埋蔵文化財発掘調査開始 (北山〜北大路間)
 10/25 快速バスの運行開始
昭和62年 (1987)
 9/9 竹田までの延伸に伴う新造車両第1回搬入
昭和63年 (1988)
 3/30 地方鉄道事業免許申請 (東西線 醍醐〜御陵間、 三条京阪〜二条間)
 8/28 近畿日本鉄道京都線と北大路駅、 新田辺駅間で相互直通運転を開始
平成元年 (1989)
 11/8 東西線 起工式
平成2年 (1990)
 10/24 烏丸線 北山〜北大路間 (1.2km) 開通
平成3年 (1991)
 12/18 低公害バスの運行開始
平成4年 (1992)
 4/23 烏丸線 国際会館〜北山間免許下りる
平成5年 (1993)
 6/3 烏丸線 国際会館〜北山駅間起工式
 7/1 プリペイドカードシステム (市バス、 地下鉄共通 『トラフィカ京カード』 実施)
平成6年 (1994)   200円 (均一区間)
平成9年 (1997)   220円 (均一区間)
 6/3 烏丸線 国際会館〜北山間 (2.6km) 開通
 10/12 東西線 二条〜醍醐間 (12.7km) 開業
 10/12 東西線開業に伴い醍醐営業所を廃止、 錦林営業所を烏丸営業所錦林支所に
平成10年 (1998)
 9/20 市バス70周年記念 「市バスまつり」 の実施
平成11年 (1999)
 4/1 烏丸営業所錦林支所を廃止
平成12年 (2000)
 3/1 スルッとKANSAIに参加開始
 3/15 近畿日本鉄道京都線と国際会館駅、 近鉄奈良駅間で相互直通運転を開始
 4/1 100円循環バス運行開始


[なつかしのバス車両]

ダッチ45年式


 なつかしの市バス車両です。 車両も外国産から国産、 ガソリン車からディーゼル車、 ボンネット型から現在の箱型へなど変化してきました。
シボレー  昭和3年
定員…12名
 このころはガソリン車で、 当時まで、 木製の車輪が使用されていました。 また、 泥はねを防ぐため、 雨の日には日本で考案された飛沫よけがつけられていました。
ダッヂ45年式  昭和20年
定員…29名
 中古軍用車 (米軍) の払い下げ車両。 トラックを改造したこの車両は床が高く、 燃費も悪く、 外観もよくないので、 あまり好評ではありませんでしたが、 車両自体の不足もあり、 さらに燃料付きの払い下げであったので、 困難な時期に役立ちました。 ドア付近に "OFF LIMITS TO OCCUPATION FORCES"とあるのが当時を感じさせます。


凡例
軌道事業 (市電)
自動車運送事業 (市バス)
高速鉄道運送事業 (地下鉄)
昭和○○年 (一九○○)
○○円 (一区) (当時のバス運賃を表示しています)


*参考資料
「創業50周年記念」
京都市交通局、 昭和37年
「市バス50周年」
京都市交通局、 昭和53年
「京都定期観光バス50年のあゆみ」
定観50周年記念事業センター (京阪バス株式会社、 京都市交通局) 昭和53年
「市バス六十周年と烏丸線開通記念」
京都市交通局、 昭和63年


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