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京税協ニュース

平成11年9月25日 第86号

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第27回通常総会開催される−全議案を承認可決−
 

 京都税理士協同組合の第27回通常総会が、 去る7月29日京都ホテルにおいて開催された。
 

 まず、 司会の大高友紀専務理事が開会を宣し、 総会審議に先立ち、 この1年の物故会員の先生方のお名前が、 上京地区の小山守組合員の尺八伴奏にのせて読み上げられ、 全員黙祷を捧げた。
 

 次に谷久夫副理事長が開会の言葉を述べ、 清水久雄理事長が挨拶を行った。
 

 また、 総会の議長に外村源太郎組合員が指名され、 議事に入った。
 

 年度末組合員総数1,370名、 本人出席206名、 委任状出席868名により、 本総会が成立した報告があった。
 

 第1号議案 第27期事業報告及び財務書類承認の件について、 平澤政治専務理事が事業報告を行い、 続         いて田中守財務委員長が財務書類について報告し、 久保田勇監事から監査報告があった。
 第2号議案 第28期事業計画及び収支予算承認の件について平澤専務理事と田中財務委員長から説明が         あった。
 第3号議案 役員任期満了につき改選の件が上程され、 挙手による選任が行われたところ、 賛成多数により         可決承認された。
 第4号議案 借入金最高限度額の承認の件につき、 採決があり賛成多数可決された。
 

 第1号議案で協同組合の消費税の経理処理について質問があり、 原則課税により申告していると回答があった。
 

 第2号議案では、 会員ハンディブックについて、 提携企業を利用すれば京税協にとって、 また組合員にとってどんなメリットがあるのか等の質問があり、 今後組合員にわかりやすいハンディブックの制作に努めたいとの回答があった。
 

 更に、 京税協ホームページのアクセス数について質問があり、 1カ月約200件あったと回答があった。
 

 以上により通常総会の議事が終了し議長は降壇した。
 

 次に上田寛理事より第3号議案で承認可決された新役員を代表して挨拶があった。
 

 引続き司会者から来賓紹介があり、 来賓を代表して京都府知事代理総務部長河野栄氏他5名からご祝辞を頂き、 祝電が披露された。
 

 最後に閉会の言葉を大藤光夫副理事長が述べ、 総会は無事終了した。
 

 この後午後6時より懇親会が開催され、 平澤専務の司会のもと林伸三郎副理事長の開宴の挨拶で始まり、 中京税務署副署長蔵原優介氏が乾杯のご発声をされた。 来賓も交えて和やかな雰囲気のなか、 旅行写真コンテストも行われ、 大変楽しい時間を過ごしながら、 中締めとなった。
 

 新理事長挨拶 上田 寛
  今回、 伝統ある京都税理士協同組合の4代目理事長に就任することになりました。 もとより浅学非才の身、 微力ではありますが、 役員、 組合員並びに提携金融機関、 生損保会社、 事業会社及び関連諸団体各位のご理解とご協力を賜りながら、 組合の充実発展のため、 誤りなき運営を心掛け誠心誠意務めて参る所存でございます。 どうぞよろしくお願い申し上げます。
 

 まず組合運営の基本的な考え方について、 次の3項目を挙げたいと思います。

 1、 組合員の出資金と出資配当金を保証し、 定款第1条に掲げる目的達成のため、 組合員の理解と協力の   もと活発な事業活動を展開する。
 2、 協同組合本来の使命を果しながら、 表裏一体関係にある税理士会の発展と税理士制度の強化拡充に、    応分の寄与をする。
 3、 税経学院は組合員、 組合員事務所職員及び中小企業関係者のための研修並びに実務講座を充実させ、    受講者の専門知識の向上に資すると共に、 学院の維持と発展を図る。
 

 以上この考え方は、 私独自の考え方というよりも、 むしろ京税協の伝統的な考え方だろうと思います。 私は創立当初から組合運営に関り、 歴代理事長の側で仕事をさせていただいた関係から、 京税協の歴史的発展過程を些か存じており、 その流れの中から実証的に体得したもので、 この3項目は京税協運営のバックボーンであると確信しています。
 

 次に組合経営の問題です。 組合は運営か経営かということになると議論のあるところですが、 私は今日の組合運営には経営という大きな側面があり、 しかも年々そのウェートは大きくなってきていると思っています。 組合費を徴収せず相互扶助の精神のもと、 組合員のための各種事業を幅ひろく展開するには、 それ相当の財政の裏付けが必要であり、 それには節度ある経営活動によって適正利益の確保を図らなくてはなりません。 京税協では、 そのための事業が諸先輩のご努力により整備されており、 私はこの路線に乗り事業のより充実を目指して努力を重ねてゆかなければならないと考えています。
 

 以上、 京税協の運営に関し、 私の所信の一端を述べさせていただきました。
 

理事長退任の挨拶 清水 久雄
 私が、 森金次郎前理事長の後を受けて理事長に就任いたしましたのは、 平成3年8月でありました。 以来、 去る7月末の定期総会において退任いたすまでの4期8年間の永きにわたり、 組合員の先生方を始め、 当組合と関係のありました多くの方々よりのご支援ご厚情に、 今ここに改めて心より深くお礼を申し述べます。
 

 私が理事長に就任した平成3年は、 当組合が設立後20周年を迎える前年であり、 初代広瀬、 2代目森両理事長の優れたリーダーシップのもとに、 組合の基盤も安定期に入っておりました。 いよいよ税理士業界にとっても協同組合の存在は不可欠なものとなり、 組合運営の重要性は、 その舵取りを任される者にとって誠に重いものに思われました。
 

 ちょうどこの時期はバブルがはじけ、 土地神話の崩壊や、 金融保険証券等の大手企業の予想もしなかった破綻が始まり、 経済環境の悪化は、 社会の将来に大きな不安を抱かざるを得ない状況下にありました。 この様な経済不安の中、 当組合は種々事業活動を行っていましたが、 特に組合財政の核をなしている保険事業にどの様な影響が出てくるのか、 また他の事業も含めて、 永年、 先人達の努力により築かれてきた組合運営も、 対処の仕方如何によっては大変な事態に立ち至るのではないかと真剣に案じたものでありました。 ただ、 幸いな事に執行部の有能な先生方を始め、 多くの組合員の組合に対する熱意が力となり、 また一方、 組合との提携企業先の強力なご支援により、 却って厳しい環境を跳ね返し、 予想外の成績でスタートを切ることが出来ました。 その後は、 社会の変遷に伴い組合事業の内容にも変化をもたらしましたが、 常に組合員の為の組合であり、 税理士会あっての協同組合であるとの基本姿勢を保持しながら運営して参りました。 私は常に、 我が京都税理士協同組合は、 規模としてはそれ程大きくはないが、 中身の濃い事業内容、 そして充実した組織は、 全国の数ある税協の中においても、 キラリと光る貴重な存在であると自負しています。 この様なすばらしい組織のなかで、 皆様方から暖かいご支援を戴きながら、 仲良く楽しく過ごさせて戴きました。 スタートの時点での色々な不安は、 今になっては杞憂に過ぎなかったと言える事に感謝しています。 本当に有り難うございました。
 

 最後に、 次期執行部に、 私にいただきましたと同様のご支援を引き続きお願い申し上げますと共に、 益々の京税協の発展と組合員のご健勝を祈念してお礼のご挨拶といたします。
 

講演会
日本に行く末−漂流する日本経済− 立命館大学名誉教授 濱@ 正規 氏
 
 

 私はヨゼフ・アロイス・シュムペーターという、 すばらしい一人の経済学者を見つけまして、 彼のものの考え方、 そして理論体系、 これにしがみついた次第であります。
 

 私がこの理論に没頭して、 早いもので約五十年の歳月が経ったわけですが、 ようやくそのシュムペーター理論が、 今まさに日の目を見ようとしているわけです。
 

 このような世界情勢、 特に日本が混迷している中で、 今なぜシュムペーターなのか、 その中身は何か、 というようなことを今日は考えてみたいと思います。
 

 我々の生活は、 実は18世紀からの300年間の歩みの中で、 大きく変わりました。 人類は物質的には豊かになりました。 その豊かさというものを今、 我々はどのように受けとめ、 残り少ない20世紀の世紀末の社会構造の中で一体何をしなくてはならないのでしょうか。
 

 今日の混迷状態は約100ケ月、 8年と3カ月に及ぶ不況に根ざしております。 この困難な日々は私たちに何を教えてくれたのか。 結論的に申しますと、 経済学的な意味での今までの枠組みで説明してきた景気循環論だけでは絶対解明出来ないものが、 目の前に来ているということです。
 

 そこで私は、 世の中は人の心の真実を炙り出す時代だと、 炙り出されていく所に実は隠れている真実が出てくると考えます。 そうすると、 一旦これらはあるべき姿に、 裏側のものが表に出ざるを得ない、 ということになります。
 

 従って循環論だけでは明解に方程式は解けないということです。 構造的諸問題があるとすれば先ずこれらを表に出そうではないか、 そこで私流のシュムペーターへ話を進めていきます。
 

 実は戦後の日本の資本主義は、 ケインズ理論の支えというもので高度成長をなしとげたといってもいいと思います。 彼のすばらしい経済理論は、 国家プラス企業の理論です。 国家はたえず手を差し伸べてゆきます。 しかし、 その手の差し伸べ方は社会主義的な手の差し伸べ方じゃいけないということです。 あくまでも企業の自主性、 主体性に運営を任せつつ、 国家はたえずその企業が方向を間違えないように見定めながら、 金がないと言えば金を出す、 仕事がないと言えば仕事を作ってやる。 これがケインズ理論なんです。 国と企業がたえず手をつなぐ理論というのは実に日本では成功したわけです。 それが 「護送船団方式」 と呼ばれるものです。 船を港からむこう岸につけるまでに沈没しては困ります。 そこで一番のろまな船にペースを合わす。 のろまで一番効率の悪い船に焦点を合わせる。 つまり、 国は税法、 経済問題、 金融問題、 ありとあらゆる事柄を一番のろまで一番効率の悪い企業体に焦点を合わせてゆくことによって、 一番先を走る企業に、 より高い利益をもたらすのです。 これが 「護送船団方式」 です。
 

 こういう形で高度成長をしていきますと、 国の方は官僚機構がものすごい力を持ってくることになるのです。 戦後五十数年、 とりわけ昭和30年以降の高度経済成長は、 官僚主導型統制経済構造であるというのが私の考え方です。
 

 このようにケインズ理論がつくりあげたその姿が崩壊していくのが、 1980年代の後半からであります。 音をたてて崩れていったのが90年代であることは、 株・土地をめぐるデフレ現象、 即ち資産デフレ現象によることは皆さん方ご承知の通りです。
 

 このように今までのパターンの社会が根底から崩れてゆくことになったのです。 資本主義そのものと言ってきた資本主義は何も本当の資本主義ではなかったというわけなんです。
 

 これから21世紀に向かって純粋な意味での資本主義が社会に一歩、 歩みはじめたんです。 しかし、 これは資本主義なんて言わない方がいいんです。 実は商業主義。 徹底して商業主義に姿を変えていくのです。
 

 商業主義が大前提にあってはじめて資本主義という社会が生まれるのです。 そして商業主義に撤し切っていくならば、 先ずどういう商品であるかという吟味を徹底的にしなさいということです。 しかもたえずその商品の革新性を追及していけと。
 

 シュムペーターはこうしてその商品をめぐる血みどろの変革、 革新、 これを徹底的に言うわけです。 シュムペーター理論は不況の局面に入るとぐーっとその姿を表してまいります。
 

 2番目には、 物を作ってゆく材料です。 半製品、 材料、 これらの徹底的な点検をしなくてはならない。 今までと同じような材料、 同じような行程で生産して何になると。 これはこれからもますます問われてゆく所でしょう。
 

 3番目は生産工程、 これはサービスのプロセスだとお考え下さい。
 

 4番目は組織です。 組織変更、 どのように今日的な組織に変え、 そして新しい時代に適応する組織に変えるかということなんです。
 

 最後に市場です。 市場についてはますますこれから大きなウエートをもってくるわけです。 そこでシュムペーターは組織体制をたえず新しく変更してゆくと同時に新しい市場調査を為し、 新しい市場形成を促し、 新しい市場における人間の位置を確立せよと申しております。
 

 これからはこれら五つのことをめぐって徹底的な競争が展開していく時代であろうと、 それが私は世紀末、 そして21世紀だと思います。 そして最後に21世紀は決して安閑とした世紀ではないと思います。 ましてや日本にとって苦難の21世紀だと思います。 なぜならば、 これからの日本の社会において、 日本の未来を輝かしいものにしてくれる本当の意味での新しい秩序が出来るでありましょうか。
 

 私は日本が本当に再び生まれ変わるような道をとぼとぼとでも歩んでくれることを念願しながら、 今日の記念すべき場所によんで下さったことに厚くお礼を申し上げます。
 

ご来賓ご芳名

京 都 府 総務部長                    河野  栄殿

京 都 市 文化市民局市民生活部長          中井久仁彦殿

大阪国税局 税理士監理官                 掛  善秀殿

大阪国税局 総務課長補佐                 中野  公殿

中京税務署 副署長                     蔵原 優介殿

近畿税理士会京都府支部連合会 会長          田島 博昭殿

日本税理士協同組合連合会 理事長            岡@ 辰男殿

日本税理士協同組合連合会 専務理事           峯尾 武志殿

近畿税理士協同組合連合会 理事長            弓岡 隆巳殿

株式会社京都銀行 取締役副頭取              小山  剛殿

株式会社京都銀行 業務開発部長             大同 一生殿

株式会社京都銀行 西院支店次長             衣笠 和彦殿

京都信用金庫 本店長                    田鶴 岩男殿

京都信用金庫 壬生支店長                  小倉  純殿

京都中央信用金庫 副理事長                 布垣  豊殿

京都中央信用金庫 壬生支店長               佐坂 純夫殿

商工組合中央金庫 京都支店次長              矢田部博行殿

京都府中小企業団体中央会 商業課課長補佐       黒石  悟殿

大同生命保険相互会社 代表取締役社長          宮戸 直輝殿

大同生命保険相互会社 取締役近畿地区営業本部長   新家 俊之殿

大同生命保険相互会社 京都支社長              小林 順一殿

大同生命保険相互会社 京都支社税理士共済営業部長  門 千奈津殿

朝日生命保険相互会社 特別保険業務部審議役       淵  友親殿

朝日生命保険相互会社 京都支社長              牧野 誠二殿

朝日生命保険相互会社 京都支社審議役           土肥  晃殿

第一生命保険相互会社 広域法人営業部副部長       高橋 昌彦殿

第一生命保険相互会社 広域法人営業部推進役       吉岡 政彦殿

第一生命保険相互会社 京都支社次長             松本 善昭殿

第一生命保険相互会社 京都南支社次長            三宅 俊信殿

日本生命保険相互会社 特別法人部長             島岡 孝治殿

日本生命保険相互会社 京都総支社法人営業部長      広末 健一殿

明治生命保険相互会社 京都支社長               川口  尚殿

明治生命保険相互会社 京都支社法人部長           松本 壽一殿

住友生命保険相互会社 京都営業本部事務担当部長     新川 正篤殿

安田火災海上保険株式会社 京都中央支社長          柴村 雅哉殿

マニュライフセンチュリー生命保険株式会社 京都支社内務次席 
                                      田村俊一郎殿

マニュライフセンチュリー生命保険株式会社  関西事業部 
                                      横山 和恵殿

GEエジソン生命保険株式会社 関西営業統括部長      石井謙次郎殿

GEエジソン生命保険株式会社 京都営業所長         佐藤 養一殿

東京生命保険相互会社 京都支社営業課長          石井 康敬殿

株式会社大丸 理事京都店長                   塚田 博人殿

株式会社日税ビジネスサービス 常務取締役          安達 文紀殿

株式会社日税不動産情報センター 取締役大阪支店長    川崎 健二殿

国土工営株式会社 代表取締役社長               西村 種夫殿

国土工営株式会社 大阪支店長                  田原 泰志殿

国土工営株式会社 京都営業所長                 井上  肇殿

株式会社公益社 代表取締役社長                 松井 昭憲殿

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