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新たなる発展を求めて

学院回顧録

 学院長 有田徳五郎     

 本年6月の日商簿記検定施行の日を以て、本科簿記初級・中級コースは閉鎖されることになりました。 最後まで、 何れも僅か3、 4名の生徒を相手に講師を担当して下さった渡邊、 麻田両先生に何とお礼を申し上げてよいのか、 万感胸に迫る思いであります。昭和48年4月開校以来26年間、随分多くの講師の先生方に献身的なご協力を頂き、当初は京税協運営の財源に貢献していた時期もありましたが、最近はマンツーマンに似たような授業を繰返すのみで、 生徒募集に如何に努力して頂いてもその効果は一向に現れません。

 顧みれば、 税理士会館の建設委員長であった森金次郎先生の要望で、 学校経営など全く素人の私が学院長をお引受けしたものの途方に暮れました。 私は、 他の経理学校で15年ほど夜間の講師を勤めていましたので、 その経験と友人の先生方より強力なアドバイスを受け、 学校案内の作成、 生徒募集、 カリキュラムの編成、 講師の委嘱と全く無我夢中でした。

 講習会や研究会ではなく、 学校と名の付く以上、 校風というものを確立して維持しなくてはと考え、 授業は全面的に講師の先生にお任せし、 学院長は入学式や修了式を厳粛に挙行することにしました。

 今となってはナンセンスかも知れませんが、 生徒数が少なくなっても、 その当日、 学院長はモーニング (のち略礼服) に威儀を正し、 式辞においては、 「簿記や会計の修得だけでなしに人格の形成にも留意し、 ノンポリでなく、 よく考え、 よく行動する人になって欲しい」 と叫び続けました。 修了証書の宛名と学院長名は全部私が自書させて貰ったのも思い出の一つであります。

 当学院で学ばれた方が、 今日多数税理士として活躍して居られるのを目の当りにすると、 涙が込み上げてくる程嬉しく、 冥利につきる思いであります。 私も近日満80才を迎えますが、 まだ元気に働けるのも学院長という要職を与えて頂き、 常に若い方々と接することが出来たお陰と、 心から感謝申し上げております。

 

簿記本科を担当して

学院講師 渡邊 弘子     

 私が学院の講師をやらせていただいたのが、 1979年の秋季講座・法人税法の中級だったと記憶しております。 その後1年半程して、 簿記本科の初級 (夜間開講時)、 そして昼間になって中級を担当するようになり、 今日に至っております。 従って、 本年度の春季講座で満20年、 奇しくも、 その春季講座をもって、 簿記本科の初級・中級が終了するということで、 感慨無量の思いが致します。

 ところで、 本科を担当してから約18年。 思い返してみますと、 やはり時代とともに、 当然、 教室の中でも変化していることが感じられます。 とりわけ、 若い人の活字離れが言われていますが、 当初より比べれば、 読解力が落ちてきているという感は否めません。 また、 顕著な事として、 ここ数年来、 算盤の出来る人がめっきり少なくなってきています。 このような事からみても、 長い年月を感じずにはいられません。

 思えば、 学院で講師をさせていただきました事は、 貴重な経験でもあり、 有意義な時間でもありました。 また、 学院長の有田徳五郎先生をはじめ諸先生方のご理解により、 講義について各講師に委ねていただきました事は、 有難く、 感謝致しております。

 最後に、 生徒募集につきまして、 諸先生方にご尽力をいただきました事を、 心より御礼申し上げます。

 

職員研修講座を担当して

学院講師 小山 晃司     

 昨年の春、 初めて京税協の職員研修講座の講師を担当させていただくことになってから、 今回で3回目を迎えることになりました。

 職員研修講座は時間的にも3時間を超える長丁場であるため、 受講者の方の集中力が途切れないように、 自分なりに講義内容を工夫したりしています。

 また、 事務所の職員の方には、 平日の勤務時間中に貴重な時間を割いて受講いただいていることでもあり、 有意義な講座であった、 受講してよかったと思っていただけるよう一生懸命頑張っています。 

 特に京税協の講座では、 受講者の方に感想や意見などのアンケートを実施し、 これを講座終了後に拝見させてもらっています。 当日の講義に関して受講者の方の率直な感想を聞かせていただけるのは、 本当に励みにもなり、 あるときは反省を促し、 また、 これがよい意味でのプレッシャーになります。

 講座の内容についても、 事務所職員の能力アップを通じて、 組合員の方のお役に立てるよう学院運営委員会で企画を練っていますが、 皆様からもご希望等ございましたらご一報いただければと思います。

学院だより   

委員長 小林  博     

 平素は学院運営に格別のご理解、 ご協力を頂き誠に有難うございます。

 今春開講した各講座のご報告と、 今後開講する講座のご案内を致します。

 本  科

 日商簿記検定3級取得を目指す初級コース、日商簿記検定2級取得を目指す中級コース、ビジネスに生かす個人事業主向けの実践的な実務コースの3つのコースを開講致しており、各コースに係る生徒募集活動は、会館前庭の立看板、京都新聞折り込み広告、リビング誌広告掲載、DMによるリーフレット配布、スクール&レッスン広告掲載、ビラのポスト投函等を行いました。

 但し、 本年度、 学院部門の事業計画に 「簿記会計の基礎教育を目的として京都税経学院本科の開講」 と謳われており、 また、 現段階での各界への宣伝効果が持続するだろうと思われる今春迄は従来通り開講するが、 初級コース、 中級コースの両コースについては、 以下の理由により本年春期をもって廃止止む無しという結論を学院運営委員会で決めさせて頂きました。

 * 本科・実務コースという講座が 「地域社会に対する啓蒙の一環としての簿記会計の基礎教育に資する」 という本年度・学院部門の事業計画に沿ったものであり、 受講者数が少ない初級コース、 中級コースは廃止すべきである。

 * 本科初級コース、 中級コース受講者が極端に少人数では、 講師の先生方にとって非常につらいものがある。

 * 昨秋の本科初級コース、 中級コースの受講者が17人と昨春と比し倍程度の人数になったのは全くの偶然に過ぎず、 従来の宣伝方法では依然として少人数の域を出ないであろうし、 万が一、 他経理学校並みに大々的に生徒募集活動を行うならその宣伝費は相当莫大な金額になる。

 *  「どうして当学院本科初級コース・中級コースをお知りになりましたか?」 というアンケートに於ても、 会館前の立看板及び税理士の紹介という例が多く、 上記の受講者倍増は今後も一切期待出来ない。

 * 商工会議所検定が年3回という形になっている現在、 商業ベース的に他経理学校の様に朝・昼・夜開講という訳にいかず、 他の方法で本科を充実させるべきである。

 短期講座

 1日数時間でタイムリーな題材での講座でございます。

11月25日 「海外取引をめぐる税務の基礎」 (海沼芳晴先生)           

12月10日 「年末調整の仕方について」 (村山佳也先生)              

1月26日 「業者数半減時代の建設業コンサルティング手法」 (倉見康一先生)

2月3日 「所得税の計算と申告の実務」 (安井伸夫先生)            

2月10日 「贈与税と譲渡所得の計算と実務」 (海沼芳晴先生)         

以上開講致しました。     

 実務講座

 5回乃至10回シリーズで基礎から応用迄を学んで頂く講座で、今春は 5月12日より10回シリーズで「所得税の基礎知識と計算の実務」(太田克先生)を開講致しております。

 職員研修講座

 春には進入職員向け、秋には中堅職員向けの基礎的な税理士事務所職員必須講座でございます。今春も

4月 8日 「新人職員のモラルとマナー」 (岡本佳子氏)               

4月15日 「やさしい税金入門」 (小山晃司先生)                   

4月22日 「社会・労働保険の基礎知識」 (社会保険労務士 原田孝一朗先生)

の各講座を開講致しました。     

今後開催予定につきご案内致します。

6月17日 (木) 「非営利法人の会計と税務パートT」             

      ・ 公益法人等の範囲、 公益法人会計の実務、 公益法人税務の実務   

6月24日 (木) 「非営利法人の会計と税務パートU」              

     ・ 宗教法人会計と税務の実務、 NPO (特定非営利活動法人) の実務、

社会福祉法人の実務                     

(パートT、 パートUいずれも講師は今西衞先生です。)

 昨年4月に開講させて頂き、 非常にご好評を得ました 「宗教法人の会計と税務」 (今西衞先生) に引続いての講座でございます。

7月15日 (木) 「改正税法 その概要と実務対応 」(竹内政明先生)    

   ・ 住宅ローン控除制度の創設            

・  情報通信機器の即時償却制度の創設など

 京都税経学院では、 今後ともテーマを厳選して各種講座を開講していく予定でございます。 どうか、 温かい目でご支援賜わります様、 宜しくお願い申し上げます。


京税協ホームページ開設

アドレス(6月より)

http://www.kyozei.or.jp/

 今日、 「インターネット」 が欠くことのできない情報手段となっていることは皆様もご承知のことですが、 京税協でも今回初めて自前のホームページを開設しようと 「情報化推進委員会」 を設け、 ホームページ立ち上げに取り組みました。

 幸いコンピュータ知識のある若手の先生方に委員をお引き受けいただき、 プロの手を借りず試行錯誤のうえ何とか自前の 「京税協ホームページ」 を開設することができました。

 作成するにあたって一番苦労したのは、 やはり誰に何を伝えるのか、 つまりホームページは世界中の誰からもアクセスがありますので、 すべてをオープンに出来ませんし、かといって組合員の皆様には最大限利用していただける内容のものでなければ意味がありません。

 それと、 見た目にいいデザインセンスの問題です。 これらは本当の意味でのソフト面の難しさを実感したわけです。 そこで取り敢えず京税協既刊の会員ハンディブックをベースにスタートすることとしたわけです。

 ホームページの運営は、 内容の更新 (メンテナンス) が重要ですので、 情報化推進委員会の活動はこれからだと思っております。 今後は、 事務局と連係し京税協ホームページを充実したものにしていく所存です。 ご意見・ご要望等がありましたら是非お聞かせいただきますようお願い致します。

情報化推進委員会       

小坂 文夫    

太田  克     

田中 久喜    

中谷 文隆    

筆島  務     


 一泊旅行写真コンテスト〆切せまる(6月20日)

 一泊旅行 「熊野古道・瀞峡」 の写真コンテストを実施します。

 要領は次のとおりです。

@ 当日お渡ししたインスタントカメラで撮影された作品

A お一人様2点まで(サービスサイズの大きさ)     

B 裏面にご氏名及び所属地区を明記          

C 表 彰                           

平成11年 7月29日の第27回 通常総会懇親会時

最優秀賞  1点            

優 秀 賞   2点            

入   賞   7点            

D 平成11年 6月20日締切               

 奮ってご応募下さい。


皆様の善意を社会福祉事業団に寄託しました

 大同チャリティーゴルフコンペ両丹大会 (平成10年10月15日・参加38名)、 同京都大会 (平成11年4月12日・参加135名) 及び、 一泊旅行その他の善意、 合計773,809円を京都新聞社会福祉事業団に寄託しました。

 今回で15回目となる寄託は、 5月14日大藤副理事長と平澤専務理事が同事業団へ持参し累計8,566,884円となりました。 ご協力をいただいた皆様にお礼申し上げます。


京都税理士協同組合

第27回

通常総会

平成11年 7月29日(木)

講演会    14:00〜15:30 

総 会     15:40〜17:50

懇親会    18:00〜20:00

京都ホテル

京都市中京区河原町御池

多数のご参加をお願いします。


熊野古道と秘境瀞峡を訪ねて

旅行参加記  =熊野古道=

左京地区 石原 京二     

 去る4月18日〜19日、 京税協の旅行に昨年に引続き参加させていただきました。

 前夜の天気予報は雨100%、 はずれてくれないかなあーという期待もむなしく、 当日は予想通り雨。

 京都駅から午前9時32分発くろしお9号に乗り南部駅へ向いました。 車中において、 今日のメインである熊野古道に関するクイズが5問出されて回答用紙を提出し、 ビール等を飲みながら雑談しているうち南部駅に到着、 バスにて南部ロイヤルホテルに向い、 昼食をいただきました。 午後から熊野本宮大社を参拝し、 熊野古道を散策ということでしたが、 雨と風が強く、 私自身少し疲れていましたので、 原稿を依頼されたにもかかわらず、 散策を断念しました。 何人かの先生に歩いた感想を聞きましたが一様に雨の中風が強く、 横なぐりの雨を受けながら歩くという状態で、 とても古道散策という情緒を楽しむどころではないという声でした。

 今回の旅行は、 4月29日から始まった 「南紀熊野体験博」 に先だって企画されたそうです。 南紀熊野体験博のシンボルが熊野古道であり、 熊野三山 (熊野本宮大社、 熊野速玉大社、 熊野那智大社) への参詣道のことです。 京都からの紀伊路 (中辺路、 大辺路)、 伊勢からの伊勢路などがあり、 日本の貴重な歴史文化遺産でもあります。 京都から往復1カ月、 難行苦行の道だったそうです。 熊野三山が身分を問わず、 女性や身体障害者にも門戸を開いたことにより、 中近世にかけては 「蟻の熊野詣」 と称されるほど、 多くの人が熊野巡礼に参ったそうです。

 熊野古道は 「中山道」、 「奥の細道」 と並ぶ日本三大古道のひとつでもあります。 今回残念ながら歩かなかったですが、 近い将来天気のよい日にもう一度熊野古道を訪ねてゆっくりと散策したいと思っております。

 熊野古道を後にしてほどなく宿泊先である川湯温泉 「山水館」 に到着、 しばし休息の後、 宴会が始まりました。 やがて近くの先生方と、 のんびりビール等をくみ交しながら話がはずみ、 地区対抗のゲームが中途にあったりし、 やがてお開きとなりました。  最後に、 今回の旅行を企画し、 お世話下さいました役員の皆様に、 心から感謝いたします。

川湯温泉 山水館にて

伏見地区 西村  進     

 京税協の旅行・ゴルフには毎年参加させていただいているが、 旅行とゴルフでは役員先生方を除けば、 参加者の顔ぶれが全然違うことである。

 特に旅行の場合は年輩の先生方が多いように感じる。 さて、 伏見地区のN先生より旅行の原稿を書いてほしいと依頼を受けたが、 私ごとで恐縮だが、 支部で総務委員長をさせていただいている関係から定期総会に向けて、 議案書の作成やら、 色々と夜も寝ずに昼寝しながら多忙な日々を過ごしている。 それなのに原稿を書いてほしい、 それも宴会の様子をユニークにと、 愚痴もいいたくなるが、 あきらめてペンを走らせている次第である。 和歌山は、 和歌山ブルースに歌われているように旅情のある地ですが、 宴会がはじまってまず失望したのがコンパニオンである。 和歌山には女性はいないのかとさけびたくなった。 若いときから酒を飲むと女性をくどきたくなる習性が実行できなくなった。 話は変わるが、 いつも感じることであるが皆さんの酒の飲みっぷりのよさである。 家に帰らなくていいという安心感もあるだろうが、 それにしてもよく飲んでいる。 楽しかったのは地区対抗ゲームだった。 毎年世話人の先生方が色んなアイデアで私達を楽しませていただけるのには頭が下がる思いである。 なんでも勝負がかかると血が熱くなりがんばるのですが、 残念ながらわが伏見地区は3位にあまんじた。 自称さすらいのギャンブラーとしては多いに不満である。 そうこうしている内に宴会も終りをむかえた。 女性と楽しい会話もできずじまいで、 このまま寝るのには欲求不満が残ったので、 誘われるままにマージャンを楽しんだ。 最後になりますが世話人の先生方御苦労様でした。 紙面をお借りして御礼申し上げます。

 

瀞峡を訪ねて

下京地区 本城 治美     

 2日目、 昨日しとしと降っていた雨も止み、 まずまずの天気。 川湯温泉を8時30分に出発し一路瀞峡へ。

 瀞峡は熊野川支流、 北山川の峡谷の総称で、 下流から下瀞、 上瀞、 奥瀞の3つに分かれています。 私達は、 下瀞の志古からウォータージェット船に乗って上瀞まで往復2時間の船旅に。

 水しぶきをあげながら、 深緑の山々に沿って船は上流へ。 川は激しく蛇行をしはじめ、 両岸には、 高さ50メートル近くもある見事な岸壁が立ち並びます。

 次に夫婦岩、 亀岩、 屏風岩と色々な奇岩が姿を見せ、 目を楽しませてくれます。

 そして岩の割れ目に沿ってできた竜潜窟のあたりがもっとも水深が深く20メートルもあるそうです。 水の色も深い緑で趣のある色合いです。

 さらに進み上流の吊り橋をくぐったあたりが上瀞。 ここでウォータージェット船の天井が全開となり360度のパノラマが。 曇とはいえ、 その景観の美しさに参加者から思わず 「おおっ」 という声があがりました。 小寒い風が吹いているにもかかわらず、 皆、 立ち上ってカメラ片手にパチリ。

 次いで猿岩、 天狗岩、 布引ノ滝、 巨大な岩柱がそびえる橋杭岩をみて後洞門でジェット船は引き返します。 途中、 河原に降りて一服。 記念写真をとり、 甘酒など飲んで志古まで戻りました。

 そして志古からバスで南へ下り、 新宮を経て海岸線を勝浦まで走り、 かつうら御苑にて昼食をいただきました。

  「量より質やで」 と幹事さんが注文したとおり、 まぐろの刺身 (とろ) 等、 熊野灘の新鮮な食材を使った料理に、 みな大満足。

 お腹いっぱいになった後、 バスでJR勝浦駅まで行き、 オーシャンアロー号にて帰路につきました。

 車内では、 おのおの旅の土産話に花を咲かせながら無事、 京都駅に着き、 楽しい旅行は終わりました。

   

俳  句

伏見地区 中嶋康江  

車から降りれば熊野路春嵐         

熊野古道牛馬童子に春の雨         

岩朧(いわおぼろ)といへどさだかや野天風呂

深淵の瀞(どろ)を走りて風光る      

いにしへの熊野詣や春嵐          

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